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ハンティング・パーティ [2008年 レビュー]

ハンティング・パーティ」(2007年・アメリカ/クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)

 本編の冒頭、こんな表記がされる。

 Only the most ridiculous parts of this story are true
 (この物語は“まさか”と思う部分が真実である)

 見た瞬間はドキリとさせられたが、ひねくれ者の僕には引っ掛かるところがあった。
 逆に捉えれば、「一部は確実にフィクションである」、と最初から宣言したようなものだからだ。
 映画なんてフィクションでいい。なのにアプローチを間違えていやしないか?

 ボスニア紛争の現場で命知らずの報道を続ける戦場リポーターのサイモン(リチャード・ギア)は、生中継の直前にある虐殺現場を目撃する。穏やかならぬ精神状態のまま臨んだ生中継で、サイモンはアンカーマンに暴言を吐き、テレビ局を解雇されてしまう。
 サイモンは現地で姿を消し、相棒だったカメラマンのダック(テレンス・ハワード)はニューヨークのスタジオでチーフカメラとしての職を得た。
 紛争終結から5年。記念式典に出席するためサラエボに降り立ったダックの前に、消息を絶っていたサイモンが現れる。サイモンは「民族浄化」という名の大虐殺を行い、500万ドルの懸賞金が懸けられた戦争犯罪人、“フォックス”を生け捕ろうと企んでいた…。

 さて、どこまでがフィクションで、どこからが事実なのか?
 僕はどうしても気になって、映画のあとで本作品の元となった記事を読んでみた。
 アメリカ人ジャーナリスト、スコット・アンダーソンが2000年10月「Esquire」誌に発表した、「夏休みの体験(原題:What I Did on My Summer Vacation)」という記事である。
 記事と映画の決定的な違いは、リチャード・ギアが演じたサイモン(米テレビ局に解雇されて以来、金の工面に追われる落ちぶれた戦場リポーター)はどこにも存在しないということだ。映画のサイモンはもちろん正義もあるが、何より金に困ってフォックスを捕らえようとする。
 しかし実際には、ジャーナリスト仲間が酒の席で盛り上がって引き起こした愚行に過ぎない。ただし、その愚行が「究極のタブー」に触れたことは間違いない。
 「この物語は“まさか”と思う部分が真実である」
 記事を読んではじめて、僕はこの意味を理解した。

 僕はひねくれ者なので、「きっかけがジャーナリストの“愚行”なら、そう描けばいいじゃないか」と思った。それほどアンダーソンの記事は面白かった。それはちょっとした子供のいたずらが、町をあげての大騒ぎになる感じと妙に似ていたからだ。そしてシリアスなドラマにするよりも、ちょっと間抜けなドラマにしたほうが、よりリアリティが出たんじゃないかと思う。だってエンディングにTHE CLASHの「I FOUGHT THE LAW」を流しているのだ。そのノリだってあるってことじゃないか。

 それにしても、「戦争犯罪人を捕まえようとしない」理由があるなんて、それだけは認めたくない。

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