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クレイジーハニー [ショウより素敵な商売はない]

作・演出:本谷有希子 @PARCO劇場

 2006年秋からの4年半、平日夜は基本的に仕事で塞がっていた。だから観劇はほとんど出来なかったのだけれど、この春“その仕事”を卒業したので、最近はちょいちょい芝居を観ている。
 まずは6月29日、田口トモロヲさんの芝居が久々観たくて、青山円形劇場プロデュース「CLOUD−クラウド−」へ。構成・演出は鈴木勝秀。トモロヲさんの他に鈴木浩介、粟根まこと、山岸門人、伊藤ヨタロウの5人芝居。“現代社会のコミュニケーション”を考えさせられる芝居で、初めて観た粟根まことさんの演技力に心を鷲掴みにされた。玄人の芝居だけにアドリブも巧くてかなり楽しめた。

 続いて7月1日に江本純子主宰の毛皮族。
 「毛皮族の軽演劇2011/滑稽を好みて人を笑わすことを業とす」@リトルモア地下。
 4本の芝居を日替わりで見せる企画で、僕はタイトルにやられて「ボディコン強盗」を観た。
 リトルモア地下がエアコンの効きの悪い狭い小屋で、パイプ椅子にははなからウチワが置いてあった。こうやって芝居を観るのはいつ以来か、記憶にない(笑)。
 「ボディコン強盗募集」という張り紙を観たオタク系アラフォー女子が、飛び込みで面接を受けに来る、というこの設定だけで、最後まで観る気にさせる芝居。テレビじゃゼッタイに出来ない、ボディコンのお姉さんが客に向けてお股をおっぴろげながら喋りまくる、というくだらない演出もあって全体的に面白かった。町田マリーにちょっと惚れる(笑)。

 そして長澤まさみとリリー・フランキーの初舞台。それが本谷有希子の芝居と聞いて興奮しない人はいないんじゃないか(いるよ)。本谷の新作で、ナマの長澤まさみが観られて、リリーさんも初舞台となれば、これは行かねばならぬ。幸運にも知人がチケットを手配してくれたので、8月27日に雨のPARCO劇場へ。
 まず驚いたのが長澤まさみのスタイルの良さ。こんなに手足が長くてモデル体型だとは思わなかった。テレビや映画だとどうしてもアップに行きたがるけれど(だってアイドルだし)、そのボディをトリミングしてしまうのは惜しい。これを機会にどんどん舞台に出て欲しい。まさか舞台でこんなに映える女優だなんて想像もしなかった。
 長澤まさみが演じるのは、10代でケータイ小説でデビューし一時は人気を集めるものの、その後鳴かず飛ばずの作家、ひろみ結城。
 リリーさんが演じるのはひろみの連れで、オカマの真貴。ひろみはときどき真貴と2人でトークショーを開催しては、数少ないファンとの交流をしていた。そこに編集者から手紙が来て、ファンを交えた座談会を本にしようと持ちかけられる…という設定。
 とにかく長澤まさみの“振り切り方”がスゴかった。
 約2時間半の芝居の中で何度も声を張り上げる場面があって、それはそれは喉を潰さないかと心配になるほどだったし、ドラマや映画ではゼッタイに見せない、女のダークな部分をそれはそれは気持ち良く演じていた。
 一方で本谷有希子のズル賢さも垣間見た。長澤まさみは全編ミニスカートだったのだ。
 本谷有希子は長澤まさみを使って女の嫌な部分をこれでもかと見せておきながら、「でも全部までは嫌いにはなれないでしょ?」と、長澤まさみの真白な足を指差し、ニヤリとしながら観客の耳元で囁くのだ。まるで女郎屋の女将みたいに。長澤まさみのミニスカートは、本谷の計算ずくの演出だったと思う。美しいナマ足を見せつけられて、その女がどれほどダメな女でも、全否定出来る男はいない。
 「女の武器は使えるものなら何でも使う」
 最近ちょっとキレイになった本谷有希子と共通するようで、なんと潔い芝居だろうと感心してしまった。

 リリーさんも初舞台とは思えないほど巧かった。
 けれどリリーさんにオカマ役を当てたのが勝因だったと思う。つまりフツーの芝居でなくていいのだ。リリーさんが実年齢に近い男性役だったら、ここまで巧く見せられたかどうかは分からない。これも本谷有希子の設定勝ちと言うべきだろう。それにしてもリリーさんの緩急付けた芝居は良かった。この人の舞台ももっともっと観てみたい。

 この作品、実は出演者の多い芝居で(本谷作品の中で最多だそうだ)総勢15名による。
 ひろみ結城のファンという設定の役者11名のうち10名はオーディション&ワークショップによって選ばれた人たちで、彼らの強烈な個性も芝居の見どころのひとつになっている。個人的には鉢嶺杏奈がえれー可愛くて気に入った。

 舞台を観るたびに思うのは、役者が“全身で演じる姿”を観る喜びである。
 僕は長澤まさみを堪能しながら、改めてそう思った。

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ドロウジー・シャペロン [ショウより素敵な商売はない]

 2008年最初の観劇は、宮本亜門演出、藤原紀香主演のミュージカル

 ワイドショーやスポーツ新聞をご覧になっている方なら、紀香が“股割り”出来たの出来ないのとネタになっているのを観たことがあると思うんですが、コレはその作品です。
 紀香にとっては初のミュージカル。ま、今までCDを出したことも無い人ですから、「なんでアンタがミュージカル?」とフツーの人なら思います。もちろん僕も。
 さらに周りを固めるキャスティングを見ると、木の実ナナ、小堺一機、川平慈英、なだぎ武、小松政夫、中村メイコ、尾藤イサオ、梅垣義明、テツandトモ…こりゃ一体、どんなキャスティングなんだと思うわけです。宮本亜門は本気でミュージカルをやる気があるのかと。それともやらされてんのか?なんて思ったりしましたが、まあそれはさておき。
 この作品は小堺一機さんがいわゆるストーリーテラー的な役回りを演じています。なので冒頭から出演するのも彼。しかし、この人の声が全然出てなくてガックリ。もしかしたら音声とミキサーがイマイチなのかも知れませんが、とにかく劇場に声が響かない。小松政夫、中村メイコは論外。期待した川平慈英の声も意外とイマイチ。尾藤イサオはそもそもハスキーボイスでミュージカルに不向き。唯一聞いていられたのは、梅ちゃんとテツandトモのトモ(普段ギターを弾いてる方)。でも一番安心したのはアンサンブルという有様。
 どんなミュージカルじゃコラー!
 と思っていたら、藤原紀香のソロパートを聴いてビックラゲーション。

 紀香が一番上手いやんけ!
 
 いやいやいや、どれだけボイストレーニング積んだのか知りませんが、彼女の声が一番通っていて、一番声量もあったように思います。
 しかも!感心したのは彼女のコメディエンヌぶり。間もいいし、表情を作るのも上手いし、僕はこの舞台を観ながら「藤原紀香は確実に峰不二子が出来る」と思いました。でも残念ながらルパンを演れる役者がいないから、実写化出来ないんだよね~。
 ま、そんなくだらないことはともかくとして、僕はこの舞台で藤原紀香のことを見直しました。
 紀香、サイコー!こんなことならもっともっと舞台に出て欲しいし、思い切って吉本新喜劇にも出て欲しい!絶対イケると思うんだよなあ(笑)。

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 日生劇場 1月5日~29日

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越路吹雪物語 [ショウより素敵な商売はない]

 日生劇場へ池端慎之介氏の舞台を観に行く。
 千秋楽前日。

 「コーちゃん」の愛称で親しまれた国民的歌手、越路吹雪を公私に渡って支えた岩谷時子の原作を舞台化した作品で、初演は2003年。しかし今年でフィナーレなのだと言う。理由は詳しく知らない。

 20分の休憩をはさんだ3時間の舞台は、その長さを微塵も感じさせない出来栄えだった。
 コーちゃんが好意を寄せていた舞台美術家の真木小太郎の息子は、のちに「バラが咲いた」をヒットさせるマイク真木であったり、ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の裏話であったり、“昭和歌謡のトリビア”とも言うべきエピソードがところどころに出てくる脚本も満足度は高かった。
 終演後、一部スタンディングオベーションになったのも納得。
 「素晴らしい。そして、フィナーレなんてもったいない」
 これが率直な感想だ。

 まず岩谷時子を演じた高畑淳子さんの演技が見事。
 彼女の抑えた演技はピーさんと好対照で、岩谷さんの人柄を充分今に伝えていた。彼女の見せ場は「愛の賛歌」の訳詞を完成させ、朗読する部分だ。歌わずとも観客を感動させるこのシーンは、岩谷さんの訳詞がいかに日本人の心をつかむ“詩”であるかを証明するシーンでもある。
 高畑さんの名演技に思わず泣けた。

 そしてかねがね「コーちゃんが降りた」とウワサされていたピーさん。
 途中の芝居はそうでもなかったが、ラストの歌のシーンは驚いた。
 この人はバケモノだ。
 まさに「越路吹雪、降臨」である。
 特に「愛の賛歌」は本当に本当に素晴らしかった。

 日生劇場のお客さんは年配の女性が多かった。
 失礼ながら拍手し続けるのも大変だろうに、それでも拍手はなかなか鳴り止まなかった。
 こんないい芝居がもう観られなくなるなんて、やっぱりもったいない。

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ブルーマン・グループ in TOKYO [ショウより素敵な商売はない]

 90年代のはじめ、ニューヨークへ行った友人が「オフブロードウェイで面白いライブを見つけた」と持って帰ってきた1本のビデオ。それがブルーマンだった。
 チケットの入手はすでに困難。
 世界中から公演のオファーがあるがNYCの劇場を空けるわけにいかないので、当分どこへも行けないという状態だった。
 何を隠そう僕もブルーマンのプロデューサーにアプローチをした一人。プロデューサーのD氏は実は日本人で、「いつか日本へも連れて行きたい」と言ってはくれたが、その「いつか」が一体いつのことになるのかは「僕にも分からない」と言った。僕はそこで諦めた。

 それから15年超。青い奴らはやって来た。
 僕は当時のことを懐かしく思い出しながら、雪の降る中六本木のインボイス劇場へと向かった。



 ステージ前列から4列目まではポンチョシートと名付けられ、劇場が用意したポンチョを被って鑑賞するようになっている。僕は3列目のほぼセンターに着席し、汚れることがあれば「アレ」しかないと思っていたが、その予想は大きく裏切られた。僕の目の前、1列目2列目の人たちはその瞬間悲鳴を上げた。あとはご覧になってのお楽しみ。僕に実害はなかったが、大きなグミが僕の肩に激突した、とだけ報告しておこう。2月3日12時の回をご覧になった方。
 あのグミは僕にぶ・つ・かっ・た・ん・で・す・よ!(笑)。

 シルエットでのパフォーマンスから始まるオープニング。僕はすっかり忘れていたけれど、これはオフブロードウェイのまんまの演目だった。懐かしさと同時に時の流れを感じる。
 それにしても「ブルーマン」は笑える、と思って観に来ている客が多いのか、音楽的なパフォーマンスに対しての観客のリアクションはさほど大きくなく、僕はちょっとガッカリした。彼らが繰り出すパーカッションのアイディアはかなりのものだと思うのだけれど、なんだかなあ。久しぶりに日本人の拍手ベタを痛感したライブだった。

 「ブルーマン」は大道芸だ。
 間違っても腕組みをして観るようなライブじゃない。参加するつもりで行かないと痛い目に遭うかもよ(笑)。

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ドラリオン 東京追加公演 [ショウより素敵な商売はない]

 「アレグリア2」以来のシルク・ドゥ・ソレイユ。
 前回は妻の誕生日に行った。
 と言っても、そのときは結婚どころかまだ付き合ってもいなかったけれど。
 今回は僕の誕生日だった。
 場所も同じ。テントの色形は若干違うものの、ロビーも会場もさほど変化は無く
 「なんだか懐かしいねえ」
 と、2年2ヶ月前のことをそれぞれ振り返る。



 開演前に登場するクラウンが3人。
 客席のあちこちで観客の笑いを誘う中、1人のクラウンがある男性客を客席へと誘導する。
 これが実はある演目の重要な伏線になっている。
 クラウンたちの活躍で場内が暖まると、いよいよ開演だ。
 
 僕たちは「アレグリア2」を観ているから、シルク・ドゥ・ソレイユがどういうものかを知っている。
 だから前回ほどの驚きは無いものの、技の一つ一つにはやはり感嘆の息が漏れる。
 冒頭の演目「フット・ジャグリング」からそうだ。
 仰向けになった女性が両手両足で5本の傘を回す。
 文字にすると何でもなく思えてしまうのが歯がゆい。
 実際には、しばらく両足で1本の傘を回すのだけれど、その技のしなやかさに唖然とする。
 こんなものを見てしまうと、続く「ジャグリング」なんてフツーにしか見えないのが可哀想。
 いやいやそれも大した技なんだけど。

 一幕最大の見せ場は「トランポリン」。
 ステージに設置された壁とトランポリンを有効に使い、まるでスパイダーマンのような動きを見せる。
 壁の頂上から落下して再び頂上へ。ときには壁の途中へ。
 重力を無視したような動きは、まるでフィルムの逆回転を見るようだ。
 音楽パフォーマンスが合致したステージに心を奪われていると1時間なんてあっという間。
 インターミッションを告げられたときには「もう1時間経った?」と驚く。
 けれど前作1幕最後の演目「スノー・ストーム」が凄かっただけに、ちょっと物足りない気も。

 シルク・ドゥ・ソレイユの優れている点は3次元でショウを見せるところだ。
 中でも、青い布を使って空中でのパフォーマンスを見せる「エアリアル・パ・ド・ドゥ」は圧巻。
 一組の男女が飛んだり、舞ったり、落下したり、旋回したり…。
 きっと肉眼でスーパーマンを観ることがあったら、こんな気分なんだろうなと思う。
 もちろん、そんなことないけど(笑)。

 人間が生でやるパフォーマンスだから、当然失敗もある。
 映画「マッハ!」を思い出させる「フープ・ダイビング」。
 台の上に乗せた大小のフープ(輪っか)を10人の少年たちがくぐり抜けていく。
 この日は、1人の少年が立て続けに失敗をした。
 失敗をするとフープが倒れる。それを何事もなかったように設置しなおす少年たち。
 また同じ少年が失敗する。
 音楽に合わせて観客の手拍子が続く。多くの観客が心の中で「ガンバレ!」とその少年に叫ぶ。
 そして、成功。
 観客の拍手は一層大きくなった。
 やさしいな、と僕は思った。
 成功させた少年は誇らしげに腕を挙げた。
 それもまた素直で可愛かった。

 シルク・ドゥ・ソレイユは子供に見せるべきイベントだと思う。
 なぜなら、ここで「人間の可能性」を目撃することが出来るからだ。
 「人間は努力しだいで、スゴイことが出来るようになる」
 そう思ってくれると嬉しい。
 そして、そんな人たちを敬う気持ちを持ってくれたらもっと嬉しい。

 ショウのあと帰宅し、
手を洗うために結婚指輪を外そうとしたら、なかなか外れない。
 一瞬不思議に思ったがすぐに合点がいった。
 単なる拍手のし過ぎだった。
 
 いい誕生日だった。


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野田地図第13回公演 「キル」 [ショウより素敵な商売はない]

 

 妻夫木聡広末涼子という豪華な顔合わせに惹かれて、野田秀樹の芝居をはじめて観る。
 僕は舞台をあまり観ない。
 映画館に行く時間も作れないような人間が、舞台を観に行く時間を作るのは至難の技だ。
 それでも、かつては小劇場の舞台を良く観に行った。
 作家の言いたいことは良く分からない。ただ「面白い」というだけで観に行った。
 というのも、どういうわけだか、よほどマジメ腐った舞台でなければ必ず「お笑い」があったし(それが無かった舞台は誰が演じたか忘れたが、「ゴドーを待ちながら」だけだったような気がする)、やはりテレビとは違う生の熱気と迫力が刺激的だったからだ。
 小劇場の芝居は、なんだか難しい言葉をこねくり回してクライマックスを迎えようとするのもだいたい似ていて、そこは良く分からなかった。だって「朝日のような夕日をつれて」って言われてもさあ。それ誰よ?で、どこ行くのよ?って感じじゃないですか。

 Bunkamuraシアターコクーンには僕と同じく、妻夫木・広末の名前に釣られて来たお客さんが多かったようだ。
 僕が一番驚いたのは休憩の時間、僕のすぐ後ろの席で「あの小さいオジサンが野田秀樹なの?」とノーテンキに言うおばちゃんがいたこと。オバチャン、それはダメ。それは相撲見に行って「あれが朝青龍?」って聞くのと同じくらいヤバイからね。
 小さいオジサンは相変わらず高い声を出して芝居していた(生を観るのは初めてだけど舞台中継は何度か観たことがあった)。僕は野田秀樹の“ブリッコ”芝居(観た人なら分かる)が嫌いで、「キル」でもそれが満載だったんだけど、野田ファンはそれが面白いらしく、やたらと彼の芝居にキャーキャー反応する。うーん、それも苦手だ。
 妻夫木と広末は声が出てない。やはり舞台出身の俳優との差は大きく、特に舞台を実質的に牽引した勝村政信の“出力”とは雲泥の差と言っていい。勝村、さすがだなあ。オレは感動したよ。高橋惠子さんも良かった。こんな芝居も出来るんだぁ、とちょっと感心。妻夫木は頑張ってた。
 そんなことより、広末が想像以上の可愛らしさ。しびれた。もうそれだけで充分(笑)。

 舞台を1本観ただけで「野田地図」をどうこういうのは難しい。「THE BEE」も機会があったら観てみたい。
 でもやっぱり舞台って面白いなあ。

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劇団四季「ウィキッド」 [ショウより素敵な商売はない]

 「オズの魔法使」のプロローグを書いて1995年のベストセラーになったグレゴリー・マグワイアの小説「オズの魔女記」が原作のミュージカルです。
 これを劇団四季は「オペラ座の怪人」の後継として、6月17日から電通四季劇場「海」でスタートさせました。
 「コンタクト」なんて散々なミュージカルも早々にたたんで(いや、もしかしたら予定通りだったのかも?)、劇団四季が気合を入れ直しプロモーションしている最新作ですが、これも40過ぎのオッサンが観るミュージカルじゃなかったですねえ。

 当然ですが、「オズの魔法使」を知らなければなんのこっちゃのミュージカルです。
 「映画は昔観た」って言う人も、「ウィキッド」を観に行くことを決めたら、絶対に復習しておいたほうがいいです。でないとディティールを楽しめません。
 では、どうして僕が楽しめなかったのかと言うと、ターゲットの年齢層が低いんですね。
 主役は若い女の子2人で(彼女たちが“良い魔女”と“悪い魔女”になるんだけど)、僕はそのやりとりを観ていられませんでした。オッサンからすると読みたくもない少女漫画を読まされている気分。キャーキャーうるさいっての。
 おそらくこの作品も1万円はくだらないだろうチケット代金を考えると、ティーンエイジャー向け(としか言いようのない)作品に仕上がっているこのチケットがどこまで売れるのか、他人事ながらちょっと心配になりました(笑)。
 またアメリカ人と違って、日本人にとっては数あるクラシック映画の1本でしかない「オズの魔法使」のスピンオフミュージカルが、どれほど受け入れられるかも疑問です。

 「悪は絶対悪じゃない」というテーマはとても良いと思うんですけど、残念ながら僕はもう一度観ようとは思いませんでした。
 「マンマ・ミーア」とかそろそろ東京に帰ってきてくれないかしら?

 
「実は来年3月まで公演が決まってるの。舞台装置の償却があるからね(笑)」 「(にやり)」


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ミュージカル「阿国」 [ショウより素敵な商売はない]

 ピーターさんが出ているので新橋演舞場へ行く。
 演目は“歌舞伎の始祖”と言われる「出雲の阿国」。1度は観ようと思っていた出し物だ。
 僕はミュージカルと言えば「劇団四季」がほとんどで、ときどき輸入版を観ることはあるけれど、純粋に国産ミュージカルを観たことがなく、しかも花道のある劇場での観劇も初めてだったので、「阿国」を観ていろいろと思うことがあった。

 まず新橋演舞場のお客さんは拍手の仕方が上手い。
 僕はずいぶん以前から「日本人は拍手下手」だと思っていた。ライブに行っても、ミュージカルを観ても、演奏や曲がちゃんと終わるまで拍手をしない。以前ポール・マッカートニーがそれを「日本人はちゃんと最後まで音楽を聴いてくれるから嬉しい」と言ったけれど、これはポールのリップサービスに過ぎず、永らく「ニッポンのオーディエンスはノリが悪い」というのが海外アーティストたちの常識だった。
 しかし演舞場では、贔屓の役者が出て来て拍手。役者が見栄を切れば拍手。演奏が盛り上がれば拍手。実に上手い拍手を入れるのだ。
 正直言って驚いた。
 日本人には日本の芸能を楽しむDNAがちゃんとあったのだ。僕は歌舞伎を観たことがないので歌舞伎座の様子を知らないが、客席はきっとやんややんやの大盛り上がりを見せるのだろう。そう思うと芝居じゃなく客席の様子を観に、歌舞伎座に行きたくなってしまった。

 「花道」の効果も知った。
 二次元的な見世物を、一瞬にして三次元にしてしまう花道は、もしもこれが日本で生まれたものならば世紀の大発明だと思った。演出家としても役者としても、まさに腕の見せどころではないか。「花道を飾る」という言葉の意味も、ようやく理解した気がする。

 「阿国」のハナシも少し(笑)。
 ピーターさんが池畑慎之介名義で男役を演じているのだけど、この人の男役はゾクゾクするほどカッコイイ。立ち振る舞いは言うに及ばず、僕が一番しびれたのは低音で発する声。ちくしょー、やられたぜ。舞台のあと一緒に食事をしたのでそう話したら、「あら、そう?」といつものオネエ言葉でニヤリ。この人はどんなシーンでもカッコいい。
 上々颱風も良かった。僕は「愛よりも青い海」くらいしか知らなかったのだけど、「阿国」のために良い楽曲をたくさん書いてる。余談ですけどボーカルの白崎映美さんが20代のころ付き合ってた彼女に似ててえれービックリしました(笑)。

 舞台は2部構成になっていて途中30分の休憩が入る。なるほどこのタイミングで皆お弁当を食べるのね、と今さらですけど知りました(笑)。
 「阿国」はよく出来たミュージカルだと思う。この世界観を知るため「出雲阿国」のことをちょっとだけインプットして観に行くと、きっときっとかなり面白いだろう。

 アドリブも沢山あって笑いました。
 
 


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劇団四季 「コンタクト」に撃沈する。 [ショウより素敵な商売はない]

 劇団四季で今月6日から久しぶりの新作ミュージカルがスタートしている。
 「ミュージカル、というよりもダンスプレイ」というコピーに惹かれて、昨年のうちにチケットを購入し、自分の誕生日プレゼントとして観に行ったのだが、これが正直どうにも面白くない。
 舞台は3部構成になっていて、1部はまったく歌もセリフもなし(だったと思う)。それよりもセックスを連想させるシーンが多々あって、子供連れの客は仰け反ったんじゃないだろうか。
 2部は1人の女性の妄想シーンがメインで、ストーリー性の欠片も無い。
 3部は「クレイジー・フォー・ユー」の加藤敬二(荒川務とダブルキャスト)が登場して、ようやくまともなミュージカルを思わせるが、残念ながらストーリーは面白くない。
 今まで僕が観てきた劇団四季の中では、サイテーの舞台。
 その証拠と言っていいかどうか分かりませんが、すでに千秋楽が決定しています。
 お口直しに「マンマ・ミーア」が観たくなりました。早く東京に帰ってきてくれないかなあ。

   海外からパクる持って来るだけなのに失敗するのね。


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パルコ・プロデュース 「LOVE 30~女と男と物語~」 [ショウより素敵な商売はない]

 
 久し振りに芝居を観る。
 ミュージカルはちょくちょく観ていたけれど、芝居は本当に久し振りだ。当然、渋谷のパルコ劇場へ来たのもウン年振りということになる。その内容はパルコ・プロデュースらしいシンプルな構成。
女と男の2人芝居、オムニバス3本立てだ。
 
 1組目は水野美紀と山寺宏一の「スパイス・イン・ザ・バスケット」
 2組目は真中瞳と片桐仁(ラーメンズ)の「結婚相談所
 3組目はYOUと生瀬勝久の「兄への伝言」

 豪華なキャスティングだけあって会場はほぼ満席だった。
 10分遅れで幕が開く。
 第1話は残念ながら本が面白くなかった。
 「3年前、ぷいと飛び出して行った妻(水野美紀)が、美術教師の夫(山寺宏一)の元へ突然戻って来る。しかし夫は新しい彼女をはじめて家に迎えようとしている時だった…」
 トップバッターということもあって客も温まっておらず、笑えるところも笑えない状況がもったいなかった。演じる2人の息も合っているとは言い難い。

 第2話の本は良く出来ていたと思う。
 「結婚相談所で働く30女(真中瞳)の前に現れた優柔不断の客(片桐仁)は、かつて高校時代に憧れていた先輩だった。しかもこの2人は電話悩み相談のカウンセラーと客という関係でもあった…」
 本は良く出来ていたが演出が巧くなかった。
 まったく別の人物と思わせた2人が、実は同一人物だったと気付かせるところがこの作品の見どころの一つなのだが、「一人の役者が二人目の登場人物を影で演じる」という“舞台演出上の暗黙の了解”を逆手にとったのは妥当だとしても、その見せ方には工夫が足りなかったと思う。
 しかしラストで真中が読む「ラブレター」はお見事。まんまと泣かされました。

 第3話は客席も温まったところへ持ってきて、実におもしろい本と役者2人の絶妙な芝居が大いに笑いを誘う。
 「亡き弟の通夜に駆けつけた兄(生瀬勝久)が、かつての幼なじみでもある未亡人(YOU)から、弟の遺言を受け取る。その中には一言、『とんかつかえた』と書かれていた。困惑する兄と未亡人だったが、やがて兄は事情を察して…」
 有り得ない「遺言」のおもしろさに増して、YOUと生瀬勝久の息の合った芝居が素晴らしい。
 仮に第3話を山寺×水野、あるいは片桐×真中でやっていたら…?と考えたが、ここまで面白くなったかどうかは分からない。やはり舞台と言えども「キャスティングこそ最大の演出」なのだ。
 この第3話だけは短編映画にしたいくらい良い戯曲だったと思う。

 それにしても舞台は映画以上に「笑い」が大事だなあ。

 
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