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007/スペクター(2015年・イギリス/アメリカ) [2016年 レビュー]

原題:SPECTRE
監督:サム・メンデス
脚本:ジョン・ローガン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジェズ・バターワース

 結論から言うと、これがダニエル・クレイグ最後の主演作ならまあ良しとする。でももしそうでないのなら期待はずれ。つまり007映画としては面白くなかったということ。誰か「シリーズ最高傑作」とか言ってなかったか?

 本作を観ていて、僕が「007映画に求めていたもの」が何だったのかよく分かった。それは『ゴルゴ13』のようなジャーナリスティック性だ。コミックと映画とではかかる制作日数が違い過ぎるため『ゴルゴ13』のようなスピーディーな対応を求めるのは酷なのだが、それにしても“アストンマーチンを乗り回すダンディーなスパイ”というもはや劇画の世界でも成立しないような「大きな嘘」を観客に呑み込ませるためには、「現実に007がいたら面白いに違いない」と思わせるリアルな設定が不可欠だと思う。そういう意味では『ミッション:インポッシブル』も同じなんだけど。

 とはいえ、永らく封印されていた「スペクター」名称の復活を聞いたときは、何だかちょっとした期待するものがあった。それは「真白なシャム猫を抱いた謎の首領」という、これまた60年代だからこそ成立していたキャラクターをどうやって現代に蘇らせるのか、サム・メンデスの手腕に対する期待だ。勝手な想像ではあるけれど、「スペクター」を復活させた理由を僕は、前作でジュディ・デンチを殺すという強烈なカンフル剤を打ち、マンネリに陥るより先に手を打った製作陣の決意の表れ、と解釈したから。冷戦後の007映画を支えた“功労者”を亡き者にしたからには、当然「ダニエル・ボンド第2章」を見せてくれるんだろうな、というちょっとした逆恨みもあった(だってジュディ・デンチのMが本当に好きだったし)。しかし本作は、僕の期待に応えてくれるものではなかったというわけだ。
 設定もそうだが、一番残念だったのはアカデミー賞俳優クリストフ・ヴァルツを使いこなせていなかったこと。『イングロリアス・バスターズ』での悪役ぶりが天才的だったからこそ、本作でも期待をしたのだが、いかんせん脚本が良くなかった。だいたいボンドとの関係性と恨みの動機がなってない。ダニエル・ボンドシリーズ中一番ガッカリしたポイントだったかも知れない。

 そうはいっても見せ場は沢山あった。個人的に気に入っているのはモニカ・ベルリッチである。50歳を超えたボンド映画マニアにはどストライクな展開ではなかったか。列車内の格闘が一種の吊り橋効果となってコーフンしてしまった若い女医より、裏社会に生きる夫を失いメンタルの箍(たが)が外れた熟女を抱くボンドにこそリアリティ感じるのである。エロさで言えばレア・セドゥのそれはモニカ・ベルリッチの足元にも及ばなかった。

 しかし、もう済んだことである。
 ラストシーンはダニエル・ボンドの最終回を思わせたが、果たしてどうなることやら。


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  • 出版社/メーカー: ムビチケ
  • メディア: Video Game


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コメント 2

うつぼ

きれいにまとまっていたというか、長い尺の割に
あれ、もうおわり?って感じでした。
これまでの作品の親玉がスペクター、にしては、小粒で、
私もクリストフ・ヴァルツが好きなので勿体ない使い方だなと
思いましたね。
モニカベルッチに萌えるあたり、kenさんらしい!
私も50過ぎの彼女にエロさを感じましたけど。(^-^)
by うつぼ (2016-01-23 09:49) 

ken

サム・メンデスの“巧さ”が裏に入った感がしました。
各シークエンスは上手く出来てるんだけど、全体を俯瞰すると「結局なんだったの?」って感じがスゴくしたんですよね。
でもって、僕も20年前なら当然レア・セドゥに行きますよw
by ken (2016-01-24 22:34) 

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