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永遠の0 (2013年・日本) [2014年 レビュー]

監督・脚本・VFX:山崎貴
脚本:林民夫

 ご無沙汰いたしました。約10ヶ月ぶりの更新になります。
 どうしてこんなに映画を観なくなったのか。本題に入る前にちょっとした私事を。
 
 確かに以前に比べたら忙しいです。
 3歳になったムスメの相手もしたいし、仕事のベクトルが大きく変わって結構な数の本も読むようになったし、本業じゃないのに書き物までするようになった。それでも昔は睡眠時間を削ってでも映画を観ていたのです。「じゃあ一体なぜ?」そんなことを思いながら久しぶりにブログを開いたら、トップページで理由が分かりました。
 僕は「クラウドアトラス」のレビューで燃え尽きていました(笑)。
 読み返して驚いたんですけど、「“面白い”の定義」なんて書いちゃったら、もう他に書くことなんてありません。あの記事が僕にとっては「ナニミル?」での最後の試合だったのだと思います。そして自分でも気付かないうちに真っ白な灰になり、2度とリングへは戻って来れなかった。これが映画から離れた理由のように思います。
 それでも最近になってまた「映画が観たい」と思うようになって来ました。この気持ちが再びリングに上がる闘争本能なのかどうかは分かりません。でも、とりあえずは帰って来ました。
 復帰第一作は「永遠の0」です。

 原作を読んだとき、終盤で大泣きしました。
 自宅で半身浴しながら読み切ったんですけど、汗なんだか涙なんだか鼻水なんだか区別のつかないものが僕の顔面をダラダラと流れていました。一番のポイントは主人公2人、健太郎と慶子の祖父・賢一郎の過去が明らかになる場面です。
 泣きながら、でもフィクションですから「百田さん、巧いなあ」と思いながら読んでいました。構成も伏線もネタバラシも緻密な計算がされていて、「作り物」として非常に優れた作品だと思いました。
 原作売り上げは結局376万部(歴代売り上げ1位)を突破したそうですが、これもフィクションだったからだと思います。たしかに宮部久蔵の物語は心を掻きむしりたくなるほど哀しい。けれどこれは事実じゃないという現実が、読者の涙を感嘆に変え、そして人に勧めたくなる。この連鎖が過去最高のヒットに繋がったような気がします。
 思い出すのは「猟奇的な彼女」です。共通するのは劇的なフリ戻し。どんでん返しにしたテクニックですが、実はどんでん返しの何倍も難しいワザです。序盤の、いずれ戻すことになるシークエンスを、観客の印象にどこまで残せるかがポイントで、下手に印象づけをキツくするとネタバレの可能性がありますし、印象づけが薄いと繋がらないというリスクがあるからです。
 フリ戻しを知っている以上、映画そのものに期待することは特にありません。だから(ほとんど)不満もなく観ていられました。144分という長尺もまったく感じません。岡田准一くんカッコいいなあ、とか、井上真央ちゃん可愛いなあ、と思いながら観ていて、順当に泣きました。原作のときほどじゃありませんでしたが、井上真央さんの芝居のシーンが特に泣けました。こんなに可愛い女性がひどい苦労をして…(笑)。

 この映画のことを一部の人たちが批判しています。
 一部の人たちの多くの意見は「特攻隊を美化している」らしいのですが、このドラマのどこが特攻隊の美化なのか分かりません。仮にそうだったとしても僕はこれで良いと思っています。なぜなら「戦争を知らない世代のために、戦争映画は作り続けなければならない」と思っているからです。
 でもそのためには「観てもらえる戦争映画」を作らなければなりません。そういう意味でも「永遠の0」はいい原作だったと思います。戦争を題材にした1級のエンタテインメントが世に出たわけですから。

 終盤、原作にはないシーンがありました。
 健太郎(三浦春馬)の目の前を、宮部久蔵(岡田准一)がゼロ戦で飛ぶシーン。
 これ、アイディアとしては良かったんですけど、どうせならもっと現代の東京らしい場所で飛ばして欲しかった。そうすれば「彼らがいてこそ、今の私たちがいる」というメッセージがより伝わったように思います。…と、大きな不満はこれくらいです(笑)。
 白組のCGも見事で、大きなスクリーンで観る価値がありました。

 

永遠の0 DVD通常版

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD
永遠の0 (講談社文庫)

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  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
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コメント 8

lucksun

おひさしぶりです。
再開、楽しみにしています。
by lucksun (2014-03-05 11:12) 

rosemary

おかえりなさいkenさん。
どこかで書き物をなさってるのですね。
それじゃー書く方はおなかいっぱいになりますよね(笑)

ゆるく映画を観てちょろちょろと感想を書いている私は
ちょっと反省しました。
この映画は4年ほど経ってから観ようと思っています。
by rosemary (2014-03-05 11:39) 

coco030705

こんばんは。お久しぶりです、お元気そうで何よりです。
この作品、本当によかったですね。泣けました。
kenさんと全く意見が一緒で私も「戦争を知らない世代のために、戦争映画は作り続けなければならないと思っている」からです。
またガンガンとブログを更新していただきたいものです。私はおたふく風邪にかかって、ちょっと意気消沈ぎみです。映画も行けないので・・・。
この映画は元気な時に観ましたので、TBさせていただきますね。

by coco030705 (2014-03-05 17:50) 

ken

>lucksunさん
 お久しぶりです。あまり楽しみにしないでくださいw

>rosemaryさん
 ただいま。…って言っていいのかどうかw
 そうなんですよ。書くのは結構お腹いっぱいなんです。
 でも、まあ、たまには。

>coco030705さん
 おひさしぶりです。
 ガンガン更新は多分無理だと思いますw
 細く、長く、行ければと思っています。慣らし運転中。
by ken (2014-03-05 18:39) 

kotori

お久しぶりです。
最近、映画を見てないことに気づいて、
なんだか、映画が見たくなりましたw
by kotori (2014-03-05 23:07) 

ken

kotoriさん、お久しぶりです。
今年もカープの活躍に期待です。映画も観ましょうね。
by ken (2014-03-05 23:54) 

satoco

おかえりなさい。
やはりkenさんのレビューを読みたいと、あらためて思っております。

かく言う私も9年利用していたwowowを解約するくらい、一時期映画から離れていたのですが、最近またひんぱんに見ています。

作品についてはまだ見ていないので、沈黙です..
by satoco (2014-03-06 02:28) 

ken

satocoさん、ただいまw
待っていてくれる人がいるのって嬉しいもんですね。
ただ、寅さんみたいになかなか帰って来ない可能性があります。
きまぐれなのは生まれつきなので、許してやって下さいw
by ken (2014-03-06 09:06) 

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