ジャッキー・チェンの醒拳(1983年・香港) [2012年 レビュー]
原題:龍騰虎躍/Fearless HyenaⅡ
監督:チェン・チュアン
根がマジメなもんで、もうちょっと続きます。このシリーズ(笑)。
それにしても本作は映画史上、稀に見る奇妙な生い立ちの1本です。
主演俳優が亡くなったわけでもないのに、そっくりさんによる追加撮影が行われていたり、別の作品のNGフィルムを流用して完成させた、まるでブルース・リーの「死亡遊戯」のような奇天烈さ。
もちろんジャッキーは健在なワケで「じゃあなんでそんなことが起きたのか」はWikiを読んでもらえれば分かります。が、面倒くさがりのアナタのために端折って説明すると、主犯は例によってロウ・ウェイです。
自分で撮った作品が一向にヒットしないのに、他社にジャッキーをレンタルした途端、「蛇拳」「酔拳」と立て続けに大ヒット。しかもジャッキーはゴールデン・ハーベスト社へ移籍してしまい、その腹いせにロウ・ウェイはわずかに撮ってあった「醒拳」のフィルムを元に一儲けしようと企んだ、というワケです。まあですから、酷いもんですよ。ストーリーも何もかも。
本作が公開された際ジャッキーは、「あまりのお粗末さに裁判沙汰にしようかと思った」と言ったそうです。ところが昨年公開された「1911」が「ジャッキー映画出演100本記念」になってましたよね。実はその100本の中に「醒拳」もちゃんとカウントされていたんです。ま、時が解決したのかも知れませんが、そういう意味でもますます「幻の1本」と言えるでしょう。もちろんジャッキー・マニアか僕みたいな物好き以外、観る必要はまったくありません(笑)。
今回の敵は「天鬼拳」を操る極悪兄弟で、この2人のワザは基本フィルムの早回しによって成立するという、ふた昔前の戦隊ヒーローものでもすでに見なかった手法が使われていて、「まったく何なんだよ、カンフーでもなんでもねーじゃんかよ」とぼやきたくなること間違いなしです。
整合性のない編集も見ていてイライラするし、「こんなものを観る時間があったら、もっと成すべき大事があるんじゃないか」と久々自分に問い正したほどの1本でした。
まあ若い頃っていろいろあるよね。




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