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007は二度死ぬ [2010年 レビュー]

007は二度死ぬ」(1967年・イギリス) 監督:ルイス・ギルバート

 シリーズ5作目にして舞台は日本。
 これは寅さんやハマちゃんスーさんが「おらが町に来た!」どころの騒ぎじゃなかっただろう。ショーン・コネリーはこの作品を最後にボンド役を(一旦)引退するのだが、一説によると日本の新聞記者がトイレの中まで写真を撮りに来たことに嫌気が差して引退を決めた、と言われているほどだから、その熱狂ぶりは想像に難くない。
 しかしもっと驚くのは、日本の至るところでかなり大がかりなロケーションが行われているところだ。ロケコーディネートをどこが担当したのか知らないけれど、よくやったもんだと感心する。いや感心するほどハチャメチャなのだ(笑)。

 米ソの宇宙船が謎のロケットに捕獲されて、そのロケットの着陸場所がどうやら日本らしいということで、ボンドは日本へやって来るのだが(もちろん黒幕はスペクターである)、日本でボンドの手助けをするのがタイガー田中(丹波哲郎)だ。一方スペクター側の人間として登場する日本人が大里化学の大里社長(島田テル……誰やねん)。
 この2人が登場するシーンがとにかくハチャメチャで、挙げたらキリがないのだが、まあ少しずつ紹介しよう。

 ボンドがタイガーの部下、アキ(若林映子)と出会うのが本場所開催中の蔵前国技館。ボンドは支度部屋で横綱・佐田の山(ホンモノ)から桝席のチケットを入手するのだが、この支度部屋は銀座の路地裏から通じている設定だった。ま、映画ではありがちなウソ設定ではある。
 ただ驚くのは国技館が満員の客で埋まり、実際の取り組みまで行っているところだ。確かに日本を舞台にしながら「スモウレスラー」が登場しないなんてあり得ない。それにしてもここまでのスケール。プロデューサーは相撲協会に一体いくらの金を積んだのだろうと思ってしまった。

 タイガーはクルマに乗らないし、外は歩かない。と言うわけで登場する乗り物はタイガー専用地下鉄である。タイガーとボンドは中野新橋のホームを歩いている(笑)。

 タイガーがボンドに風呂を勧めるシーンがある。その風呂で下着姿の女子が三助として登場。タイガーは「日本では常に男が最初。女はあとだ」と言い放つ。ボンドが泡まみれになるのを見ながら、タイガーは自分が放置されていることに気付き、手を叩いて女を呼ぶと「主人を忘れちゃダメだよ、主人を」とドスの利いた日本語で言う。

 大里化学本社がホテルニューオータニ(笑)。
 
 タイガーは忍者部隊を持っている(こらこら)。その訓練の場となっているのが姫路城。
 この撮影中に手裏剣や長刀で城壁を傷つけられたせいで、文化庁は以降姫路城では映画の撮影を一切許可していないという。

 大里の部下とボンドとのカーチェイスが撮られたのは富士スピードウェイ。殺し屋が乗ったクルマを、タイガーの部下がヘリコプターで吊り上げ、切り離して捨てたのは東京湾。沈んだクルマは引き上げられることなく今も東京湾に眠っている(こらこら)。

 こと日本文化の描写については、丹波哲郎と浜美枝がいちいち修正を出したと言われているが、最終的には「Don't worry」、「No problem」でずいぶん押し切られたと思われる。彼らが求めるのは「ホンモノ」ではなく、「らしさ」であるからだ。もちろん僕たちも。

 さて、シリーズものとして特筆すべきはブロフェルドがようやく顔出しをしたことだ。ここで登場するのがドナルド・プレザンスであることは先に認知していたけれど、まさか“あんなメイク”が施されていたとは、記憶になくて驚いた。
 そして忘れてはならないボンドカー。トヨタ2000GTオープントップである。
 確かにアストンマーチンもカッコイイけれど、日本人としてはやはりこのクルマこそ歴代No.1ボンドカーと言いたい(ただボンドは一度も運転していないので、厳密にはボンドカーでは無いのだが)。
 ところで久しぶりに観てみて気になったのは、助手席のショーン・コネリーがデカイからなのか、まるでユーノス・ロードスター並みのサイズに見えたこと。もうちょっと大きなクルマかと思っていたのだが、もしやレンズの関係だったりしたのだろうか。
 余談だが、2000GTのうしろにほんの一瞬スバル360が映り込んでいるシーンがある。ここには当時2000GTが放っていたラグジュアリー感が出ていて面白かった。

 作品としてはあまりに荒唐無稽な設定で、個人的には好きなタイプじゃない。シリーズものにありがちな「前作よりもスケールアップしたものを」というトラップに完全にハマっているからだ。はたして次回作でそれがどうなっているのか楽しみだ。

 THE END OF YOU ONLY LIVE TWICE.
 BUT JAMES BOND WILL BE BACK
 ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE.

007は二度死ぬ (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

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コメント 10

rosemary

妙に観てみたくなってしまいました。
怖いモノ見たさってやつでしょうか。
by rosemary (2010-05-01 19:26) 

ken

いえいえ日本人なら観ておいて損はないと思いますw
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-05-01 21:26) 

うつぼ

突っ込みどころ満載007映画としては一番好きな作品です。
ボンドが日本人に化けたと言いながらまったく外人顔のままだったり、
和室の中に風呂があったり。。。(笑)
ただ、Qの開発したリトルネリーは好きですね。。。
浜美枝はあまりに英語の覚えが悪いので降板させられそうになって
そんなことされたら死ぬとか騒いで当初若林映子が演じる予定だった役柄と
交代した、、とボーナス映像語られていました。
だから「オー、ジェームス・・・」と最後でいわなかったのかと思いまして。
by うつぼ (2010-05-02 13:11) 

ken

当時、他に女優はいなかったのかとも思いますが、いなかったんでしょうねえ…。
浜美枝は確かに可愛かった。でも若林映子はどうかと思いますね。僕はw
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-05-02 22:17) 

きさ

これ、小学生のころに父親とリアルタイムで見ました。
新兵器は覚えているかな。
後に何回か見直していますが、日本誤解映画ファンとしても見逃せない映画です。
演技はともかく若林映子はきれいだったと思います。
原作も読みましたが、結構原作に忠実な映画化だったと思います。
by きさ (2010-05-03 07:45) 

ken

007を小学生の子供に見せるお父さんって粋ですね。
by ken (2010-05-03 18:55) 

きさ

まあ、父親も自分が見たかったんだとは思いますが。
父親とは「バルジ大作戦」も見ました。
もちろん怪獣映画にも良く連れて行ってもらいました。
映画好きになったきっかけの一つではありますね。
by きさ (2010-05-03 19:01) 

ken

僕も子供が生まれたらそうしますw
by ken (2010-05-10 01:39) 

カオリ

007を観る!の1作目についついこれをチョイスしてしまいました。邪道ですね(笑) 数年前のkenさんのレビューが妙に記憶に残っていたのです・・・。
by カオリ (2013-01-09 16:38) 

ken

おっと、ついにカオリさんも007制覇に乗り出したのですか?w
しかし1作目にこれをチョイスしてはいけません!
nice!ありがとうございます。
by ken (2013-01-10 01:39) 

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