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007/サンダーボール作戦 [2010年 レビュー]

007/サンダーボール作戦」(1965年・イギリス) 監督:テレンス・ヤング

 シリーズ4作目にして、これまでで一番分かり易い脚本だった。
 実は本作こそシリーズ第1作として制作される予定だったそうだが、イアン・フレミングのお手つきによる訴訟問題と、制作費の高さが障害となって見送られたという。
 wikiによると本作は「インフレ率で修正した場合、シリーズ最高の興行収入を上げた作品」でもあるらしい。もしもこれがシリーズ第1作としてリリースされていたら、007映画の歴史は大きく変わっていただろう。と言うのも、ここまで右肩上がりで来た場合と、初回以降右肩下がりになった場合では、シリーズに対する評価は決定的に違ったものになると思うからだ。
 ま、もしものハナシはともかく。
 
 何が分かり易かったか。
 まず悪の組織「スペクター」とは、一体どういう組織なのかが丁寧に描かれていて良い。
 相変わらず首領(映画では“No.1”と称される)は猫の頭をなでまわしているが、本作には部下たちによる財務報告のシーンがあって、「ソ連へ亡命したフランス物理学者の暗殺に成功しました。フランス外務省からの礼金は300万フランです」とか、「イギリス列車強盗の顧問料は25万ポンドです」などと報告しているのだ。しかも、売り上げ目標を達成出来なかった部下は、ボタン一つで始末されるという“お約束”まで用意されていて本当に分かり易い(笑)。
 この席でNo.2のラルゴ(アドルフォ・チェリ)から、「NATOを恐喝して、2億8千万ドルを手中にしたい」と新たな計画が発表される。で、何をネタに恐喝するのかと思ったら、原爆を積んだNATO機を奪うという展開になるのだ。ここまで高らかに宣言してくれば観客は迷いようが無い。やはり「分かり易さ」こそ、客を呼ぶ最大のポイントと言っていいだろう。あとは用意されたアクションとお色気シーンを満喫するのみである。

 ただ個人的には“分かり難い”こともあった。
 ラルゴの情婦として登場したドミノ(クローディーヌ・オージェ)と、スペクターNo.12のフィオナ(ルチアナ・パルッツィ)の2人が妙に似ていて、ときどき混乱してしまったのだ。というのもNATO空軍パイロットの妹が、スペクターNo.2の情婦というムチャな設定だったせいもある。大きな不満はここだけか。
 それにしても007シリーズの不思議な点は、悪役の女子が必ずボンドと“お手合わせ”するところだ。僕はいつも「結局のところ好きなんじゃん!」とツッコミを入れてしまう。
 ただそれを意識したのか今回は面白いセリフがあった。ボンドと一戦を交えたフィオナが、ボンドに銃を突きつけながらこう言うのだ。
 「ボンドに抱かれた女は天国の歓喜を味わって、改心して正義に目覚めるそうだけど、私は違う」
 こらこら。改心したなんて、誰がそんなことペラペラ喋ってんだ。確かに前作「ゴールドフィンガー」がそうだったけれども(笑)。

 さてエンドクレジットでおなじみだった「JAMES BOND WILL BE BACK」が、本作にははじめて無かった。これも先の訴訟問題が絡んでいるようだが詳細は別の機会で。

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コメント 6

coco030705

こんばんは。
007シリーズはたくさんありすぎて、どれがどれかよくわからなくっています。でも「首領が猫の頭をなでまわしている。」のは記憶にあります。
この作品はkenさんの評価も良いようなので、見てみようかと思います。
ショーン・コネリーは、やっぱりかっこいいですもの。

お風邪大丈夫ですか。私は、風邪をひいてもどしたあと、食欲がなくなって、10日くらい食べ物がおいしくなかったです。お大事に。
by coco030705 (2010-05-01 23:14) 

ken

コネリーを堪能できるのはこの作品が最後かも知れません。
風邪、喉が痛くてまったく参ってます。明日1日でなんとか治さないと…。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-05-01 23:38) 

うつぼ

007は主題歌と出てくる人たち、だけかと思ってました。
これは毛深いトム・ジョーンズが力強く歌う主題歌で印象的ですね。
あとはパターンが決まっているので安心して見られるのですが。
でも、kenさんの細かい突っ込みを見ると改めてみなくちゃと思います。
by うつぼ (2010-05-02 13:14) 

ken

いや、サンダーボール作戦は悪くないと思いますよ。ホント。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-05-02 22:18) 

きさ

元々映画化するためにイアン・フレミングが書いた脚本があって、映画化が頓挫したのでそれを小説化したのが、この原作だったと思います。
なので、映画向けなオハナシになってますね。
新兵器と水中撮影も楽しいです。


by きさ (2010-05-03 07:41) 

ken

共同で書いた脚本を、個人で小説として出版したのが訴訟の元のようです。
水中撮影、良かったけど長かった…。
by ken (2010-05-03 18:57) 

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