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CAPA in Love & War [2007年 レビュー]

キャパ・イン・ラブ・アンド・ウォー」(2002年・アメリカ) 監督・脚本:アン・メークピース

 ロバート・キャパのドキュメンタリー映画です。
 写真に興味があったり、キャパに興味がある人には、かなり面白い作品だと思います。
 僕が一番驚いたのは「ロバート・キャパは架空の人物だった」というエピソード
 事の真相はユダヤ系ハンガリー人、アンドレ・フリードマン(キャパの本名)の写真を雑誌社に売り込むため、恋人のゲルダ・ポホリレスと共に思いついた作戦で、当時パリに住んでいた2人は「米国人写真家、ロバート・キャパは大成功したカメラマンで、超有名人なため滅多に会えず、常に取材か休暇で留守がち」という設定を編み出します。これを元にゲルダがアンドレの写真を、“ロバート・キャパの写真として”雑誌社に売り込んだというワケ。
 この作戦はまんまと成功し「ロバート・キャパ」が誕生します。当時アンドレはこんな手紙を母親に送っていました。

 「母さん、僕は新しい名前で働いています。ロバート・キャパ。陣痛なしで新たに生まれた気分です」

 もうひとつ面白かったのはスピルバーグが「プライベート・ライアン」のノルマンディー上陸作戦シーンについて語っていること。
 「“1944年6月6日”の撮影に当たり、彼の写真の再現を目指した」
 本編でのこのシーンは、キャパの(わずか)11枚の写真、当時撮影された戦争フィルム、「プライベート・ライアン」での当該シーン、これら3つの素材が巧みに編集されていて、観客は従軍カメラマンの恐怖を身をもって体験することになります。併せてキャパを戦場へ導いたものは何だったのかを知ることになるでしょう。

 本作はキャパやその仲間たちが撮った素晴らしい写真が多数使用されていること、そして見事な編集が施されているおかげでドキュメンタリー作品としての見応えも充分。我々日本人はキャパが撮った「日本」にも目を奪われます。
 余談ですが、現在東京都写真博物館で(2007年3月10日から5月6日まで)マグナム・フォト創設60周年記念展「マグナムが撮った東京」という写真展が開かれています。
 マグナムとは、ロバート・キャパの発案で生まれたフォトジャーナリストの集団のこと。写真家の作品を掲載する際、むやみにトリミングしたり、誤ったキャプションをつけられたりすることを防ぎ、写真家の権利と自由を守るために設立され、会員数は現在50名超。その会員たちが撮った東京の風景を観ることが出来ます。
 日本人なら見逃してしまう“東京の風景”を彼らはいかに切り取ったのか。
 そんな目線で観に行くと、なかなか楽しい写真展です。

キャパ・イン・ラブ・アンド・ウォー

キャパ・イン・ラブ・アンド・ウォー

  • 出版社/メーカー: レントラックジャパン
  • 発売日: 2004/08/27
  • メディア: DVD

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コメント 13

きりきりととと

プライベートライアンのくだり、おもしろそうですね。
そして、今日ガーデンプレイスへ打ち合わせで行くのでそっちも併せて見てきます。
by きりきりととと (2007-03-15 14:27) 

coco030705

こんばんは。
ロバート・キャパは好きな写真家です。関西でも1,2年前に、写真展に行ったことがあります。
「ロバート・キャパ」という名前の誕生エピソードがおもしろいですね。この作品はぜひ見てみたいと思います。レビュー有難うございました。
by coco030705 (2007-03-15 22:36) 

ken

>hyperbomberさん
 「マグナム」展覧会が開かれているのは3階。その下の2階で開催中の
 「夜明け前 知られざる日本写真開拓史」も面白そうでした。
 時間がなくて行けなかったのですが、改めて行ってみようと思います。
 nice!ありがとうございます。

>coco030705さん
 キャパ誕生の逸話は驚きましたよ~。
 自作自演ってヤツですからね(笑)。
 nice!ありがとうございました。
 
by ken (2007-03-15 23:33) 

ecco

これはちょっと興味をそそられました!
ロバート・キャパは架空の人物だった・・・!
ええ~~~っ。

ウチにある写真集で
歴史写真のトリック 政治権力と情報操作 
ってのがあって

これみてると写真の加工が実にありありとわかります。
by ecco (2007-03-17 21:51) 

ken

あああ、「歴史写真のトリック」の本、実は探してたんですよ~。
よかったタイトルが分かって!(笑)。探してみます!
nice!ありがとうございます^^
by ken (2007-03-18 01:45) 

ecco

お役に立てて光栄です(笑)
by ecco (2007-03-18 11:23) 

ken

Amazon.comで発見しました!
by ken (2007-03-18 11:45) 

ecco

あ。
ここで文通してもなんなんですが
アマゾンでありましたか?!
うちのは相当昔からあるので古本~~~~♪
って感じです。
by ecco (2007-03-20 20:22) 

ken

面白い本に興味があったんですね。
by ken (2007-03-20 21:18) 

movielover

キャパのエピソードって本当に面白いですよね。
ちなみに東京都写真美術館のマグナム・フォトの60周年の展示、
私も観ましたよ。
いい写真を見ると、写真ってすごいツールだなと本当に感心します。
by movielover (2010-02-11 02:05) 

ken

僕もフィルムとデジカメとで、6台も持ってますw
どれひとつとってもまともに使えてないけど。
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-02-11 11:52) 

movielover

遅ればせながら…ようやく観ました!!

ところが、またもTB失敗してしまったようです…。

キャパの魅力がわかる内容になっていましたね。
自伝も面白かったですけど、やっぱり映像の力でプラスアルファの効果があります。


by movielover (2010-08-06 16:31) 

ken

いいドキュメンタリーですよね。
なんたって写真の力は大きいです。
TBはどうして失敗しちゃうんでしょう???
nice!ありがとうございます。
by ken (2010-08-06 19:43) 

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