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イン・ハー・シューズ [2006年 レビュー]

イン・ハー・シューズ」(2005年・アメリカ) 監督:カーティス・ハンソン 脚本:スザンナ・グラント

 全米でベストセラーになった(らしい)同名小説の映画化。
 キャリアは優秀だけどルックスに自信が持てない姉と、ゴージャスなボディを持ちながら難読症を患っている妹二人が、少しずつステップアップする物語です。
 この作品、僕の周辺では概ね女性の評判は良く、けれど男性にはイマイチで、それは恐らく“男の理解の範疇を超えた姉妹の物語”だからだろうと勝手に思い込み、僕自身もしばらく観るのを躊躇していました。
 そこで僕は「男には理解できない話かも知れない」という仮説を定説にするため、過去にどんな「二人姉妹」の物語があっただろうと振り返ってみたのですが、これがなかなか思い出さない。
 「箪笥」はホラーだったし、「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」の姉妹はまだ子供だったし、「宋家の三姉妹」は三姉妹だし、「若草物語」は四姉妹だし、「ヴァージン・スーサイズ」に至っては五人姉妹じゃないか!(笑)。
 この程度の記憶しかないと言うことは、僕が「二人姉妹」の映画に興味が無かったか、「二人姉妹」の映画が大して作られていないかのどちらか、ということになる。
 もしも後者だとしたら「二人姉妹」の映画はヒットしないということだろうか?僕はそんなことを考えながら観始めた。

 まず言わせてもらうと、原作モノの映画が陥りやすい「背景の説明不足」が気になる。
 一番は難読症。
 この病の認知度は決して高くないと思う。しかしその説明は薄い。だから観客はマギー(キャメロン・ディアス)が抱える悩みに気が付いてやれず、感情移入に時間がかかってしまう。
 もうひとつは二人姉妹と祖母のエラ(シャーリー・マクレーンの存在感が圧倒的で実に素晴らしい!)の微妙な関係。とてもデリケートな問題を抱えて祖母と孫たちの関係は断絶していたはずなのに、その描写も説明不足。ここでも話の見えない観客は置いていかれると思います
。実際僕も軽く乗り遅れてしまいました(笑)。

 しかし、おおまかなストーリーを承知した上で観ると、「イン・ハー・シューズ」はとてもいい作品だと思います。
 確かに男には理解できない姉妹特有の感情の波がありますが、兄弟を持つ人にとっては男でも女でも共感するポイントは確実にあります。特に子供の頃の記憶の微妙な違いが明らかになるシーンでは泣けます。一番ツボにはまるのはやはり「二女」だと思いますけど(笑)。
 最後に。
 「二人姉妹」の映画が大して作られてこなかったのは、優れた原作と脚本が無かっただけのような気がするな。
 佳作。

  thanks!220,000prv
イン・ハー・シューズ

イン・ハー・シューズ

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/07
  • メディア: DVD

nice!(6)  コメント(18)  トラックバック(5) 
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コメント 18

po-net

ツタヤで微妙に迷い借りなかったんですけど、やはりこれは見なくては!
なにしろ私自身が二人姉妹の二女で、子供の頃の記憶は私と姉では全然
違っているし、、なんだか見る前から泣けそうだぁ。。って泣くな~ 笑
by po-net (2006-05-29 21:58) 

ken

po-netさんは二人姉妹の二女ですかあ。
じゃあぜひご覧になって、感想を聞かせてください。興味津々です!
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-05-30 00:45) 

瑠璃子

「八月の鯨」と「何がジェーンに起こったか?」の金字塔を忘れちゃいけませんw 姉妹映画というとこの二つしか連想できないので少ないのかも。やはり。
この映画は、予告編でキャメロン・ディアスの劣化ぶり(失礼)が気になってしまいどうしても本編見ようとは思えませんでしたが、なんとなく見たくなってきました。まさにken氏マジックですねw
by 瑠璃子 (2006-05-30 23:48) 

ken

「八月の鯨」も「何がジェーンに起こったか?」もどちらも知りませんでした。
金字塔かあ、じゃあ観なきゃ。
実は大林宣彦監督の「ふたり」って映画もあったのですが、
「あれは半ばアイドル映画だったよなあ」
と思って本文中に書くのをやめてました(笑)。
by ken (2006-05-31 14:31) 

snorita

「姉妹」は本当に大変みたい、友人の姉妹で問題を抱えていない人たちはいない、っていうぐらい。兄弟や男女の組み合わせにはない、何かがありますよね。ちなみに私は姉弟なので、つねに下僕扱い。ははは。
by snorita (2006-05-31 16:43) 

ken

僕の知る姉弟も、弟君は下僕扱いだったなあ。
もっと聞きなれた言葉で言うと「パシリ」でしたよ(笑)。
今、従業員100人超の会社の二代目社長なのに、
「豊島園まで傘持ってきて」
と言われて、フツーに持ってきてました。
映画と何の関係もないじゃん(笑)。
by ken (2006-05-31 17:57) 

ERUN

こんにちは。私も姉妹の次女です。年子なので、今も一緒に出かけますよ。
豪華な姉妹の映画では、姉キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、妹ジュリア・ロバーツの「アメリカン・スウィートハート」とか、姉サンドラ・ブロック、妹ニコール・キッドマンの「プラクティカル・マジック」とかありましたね。内容はともかく、こんな姉妹がいたらすごいですね。
by ERUN (2006-05-31 21:08) 

ken

ERUNさんもぜひぜひ、この作品観てみて下さい!
ところで「アメリカン・スウィートハート」はビリー・クリスタルを入れての3人主役でしたよね。
「プラクティカル・マジック」は二人姉妹映画みたいですね。キャスティングには
興味あるけど、観ても大丈夫かな?(笑)
by ken (2006-06-01 14:50) 

peanutflavorcrisp

こんばんわ☆
Million Dollar Babyの日記で、コメントいただきありがとうございます。
たくさんの映画をみているんですね!!!
イン・ハー・シューズ、お姉さんの結婚式で妹が詩を捧げるシーンが好きです。
原作も掘り下げているなんてすごいいいって思いました。

また遊びにきますね!
by peanutflavorcrisp (2006-06-03 02:39) 

ken

ようこそ。
そのシーンは「イン・ハー・シューズ」最大のヤマ場でしたね^^
またお越しくださいませ~。
by ken (2006-06-03 11:20) 

keiko-nari

本があったのね。読んで見ます。
うしゃしゃ
by keiko-nari (2006-06-05 20:33) 

ken

僕は読んでないんですけどね。読んだら感想教えてね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-06-05 23:17) 

green

背景の説明不足は、確かにありましたね~
難読症は全然知りませんでした。
ただ単に本当におばかな子なんだと思ってましたよ~(^^;)
でも、あんまりそういうところを前面に出してしまうと暗い印象になってしまうから、映画はこんな感じでよかったのかもしれませんね。
by green (2006-08-09 23:07) 

ken

うーん、難読症だけは明確にしないと、原作者の真意が伝わらないだろうと
思いますね。でもキャメロン・ディアスが暗くなりがちなエピソードを明るくして
見せたと思いますね。nice!ありがとうございます。
by ken (2006-08-10 18:25) 

coco030705

おはようございます。
この作品DVDで見ました。キャメロン・ディアズとトニ・コレットの競演が
見ものでしたね。どちらも良かったと思います。シャーリー・マックレーンは
すごいおばあさんになっていましたが、さすがの存在感でしたね。
TBさせていただきます。
by coco030705 (2006-08-17 07:51) 

ken

この映画に興味を持つのはやっぱり女性が多いんですねえ。
これまでにコメントを寄せてくれた方は女性だけのような気がします。
最近ようやく、同じ映画でも男女で目のつけどころがまったく違うことに
気がつきました(笑)。 nice!ありがとうございます。
by ken (2006-08-17 09:42) 

sonnet

kenさま。男性コメントです。
自分も振り返ってみたのですが(姉+弟です)、自分にはない感情を姉は持っていると思います。たいてい下の兄弟は上よりものほほんと生きている。それを知っていてもある意味「保護者」として見守るしかない上の兄弟。にくたらしいとおもうことがあってもそこは兄弟なので捨て去ることができない。映画の姉妹関係の構図は、我が家の姉弟関係とも重なる部分が多いようです。
by sonnet (2006-11-01 07:30) 

ken

ウチは兄+妹ですが、お気楽ご気楽な兄と気遣いの妹という図式でした(笑)
だからこの映画の関係性とは真逆だったんですけど、一人っ子じゃ分からない
兄弟のありがたみが、この映画には描かれていましたよね。
そんなときに妹がいて良かった~と思います。
by ken (2006-11-01 11:52) 

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