がんばっていきまっしょい [2005年 レビュー]
「がんばっていきまっしょい」(1998年・日本) 脚本・監督:磯村一路 主演:田中麗奈
この映画は田中麗奈のデビュー作というだけで充分観る価値のある作品だと思う。
例えば「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーン。「初恋のきた道」のチャン・ツィイー。「時をかける少女」の原田知世らと同様、女優と呼ぶにはおこがましいくらい発展途上にある少女のしかしその年齢でしか醸し出せない瑞々しさが、このフィルムに焼き付けられているからだ。
その姿はまるで手塚治虫によって描かれる少女のように、しっかりとした輪郭を持ちながら実に繊細で柔らかい。
この時期の田中麗奈をフィルムに収めることが出来たのは、本人にとっても製作者たちにとっても幸運な出来事だったと思う。なぜなら、この時の田中麗奈はもはやどこにも存在しないからだ。それはヘップバーンもツィイーも原田知世も同じだった。「その時」が訪れることは2度とないのだ。
時間とは残酷である。
その「悲劇的な美化」も加わって、これらの作品の価値が上がるのだ。
磯村監督は女性の「佇む」姿を撮るのが巧い人だ。
「船を降りたら彼女の島」(2002年)のときにもそれを感じてはいたが、いかんせん作品としてのクオリティが高くなく、そのときは言葉に出して言えないでいた。けれど今回は言おう。
「セリフはない。けれど彼女は何を思ってそこに佇んでいるのか」
磯村監督はこういった演技指導が巧いんだと思う。
田中麗奈に関しては完璧だった。
ところが、中嶋朋子に関しては完璧じゃなかった。これは中嶋朋子のせいじゃなくて、彼女の役どころを描ききれなかった脚本家としての磯村監督の責任だと思う。
「東京から松山へ戻ってきたコーチはなぜ生徒たちに心を開かなかったのか」
これは最後の最後まで明らかにならなかった。もったいない。
また、クライマックスとなるレースシーンは撮り直しをし、再編集をしたほうがいいのではないか?と思うくらい展開が分かりにくかった。
感情移入しかけた観客の熱を急激に冷やすような結果になっているのが、作品としては一番悔やまれる。
結論。
クライマックスを除けば個人的には面白かった。なんと言っても田中麗奈が愛らしい。
気になるのは、70年代に青春を送った世代には好意を持って受け入れられるかもしれないが、今の世代にはどうだろうと思う。だからフジテレビは設定を現在に置き換えてリメイクするのではないだろうか?
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(C)1998 フジテレビジョン・ポニーキャニオン・アルタミラピクチャーズ
1976年の四国・松山。 美しく穏やかな海に囲まれたこの町に生まれ育った悦子(田中麗奈)は、京都大学に通う成績優秀で要領のいい姉に比べ、不器用で勉強も苦手。 高校入学を目前に控えても、心底打ち込めるものが見つからない苛立ちで、ふらりと数時間の"家出"をする。 そこ...
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公式サイト 1998年 日本映画 監 督 磯村一路 出 演 田中麗奈、真野きりな、清水真美、葵若菜、久積絵夢、松尾政寿、白竜、森山良子、中嶋朋子 あらすじ 高校に入学した悦ネエ(田中麗奈)は、ボートをどうしてもやりたくて女子ボー…[続く]








あの~これ、今からリメイクされるんですか?
(そういった情報にウトイもんで。)
この作品は、楽曲"オギョディオラ / リーチェ"が気に入って見ていました。
田中麗奈さんの、初々しさとハツラツさで、少し元気を分けていただいた感じでした。
by なが (2005-06-15 21:18)
仰るとおり主題歌は良かったですね。すごく良かった。
そうなんでリメイクされるんですよ。
なんだかウォーターボーイズの2番煎じのような気がしますけどね。
by ken (2005-06-15 22:04)
こんばんは。
ついにご覧になったんですか。
私は最後のレースでやる気のないコーチも必死に応援してるのが良かったです。コックスの女の子もちょっと頼りなかったのに、最後は格好いい。
by NIKO (2005-06-15 22:30)
ウォーターボーイズの2番煎じのような…納得。。
懐かしいですねー。この時の田中麗奈さんの何となく青っぽい感じが凄く良いですよね。何か中性的な感じがします。
by (2005-06-15 22:46)
>にこさん
どうしても観たくてDVD買っちゃいました。
コックスの女の子の変わりようはうまく出てましたね。
>aikaさん
中性的な感じは「ドラッグストアガール」でも生きてますね。
本文に一旦は書いて結局割愛したのですが、僕は「リボンの騎士」の
サファイアをやれるのは田中麗奈しかいないと思っていました。
でも、今はもう無理だなあ。色気出てきちゃったし。
by ken (2005-06-16 00:14)
毎度です。
いつも時期ズレのコメントですが、日本映画チャンネルで
やっていたのを偶然みました。
既に、Kenさんの評を読んだあとに見た形になりました。
良かったです。「なっちゃん」のCMくらいしか経験がなかったで
あろう田中麗奈が可憐でした。
Kenさんの評にあった、中島朋子のコーチ役の描き方には
自分はあまり不満は感じませんでした。
バッティングセンターのシーンで悦子が
「自分にはボートしかないんです」
と言った場面で涙目になるだけで青春が終わってしまったもの
には十分のような・・。リアルな若者には??かもですね。
監督は何者だ?と検索すると若いころエロ映画いっぱいやってる
んですね。
小沼勝監督もNAGISAという甘酸っぱい気持ちにさせる映画
を作っていますね。
昭和30年代にはとても楽しい映画でしたが他の世代には
どう感じられるのか自分も知りたく思いました。
やまげん
by yamagen (2005-09-17 22:05)
先生のコメントを頂いたので、久しぶりに自分の記事も読み返してみましたが
なかなか思い切ったことを書いてますね僕は。特に前段のブロック。
もちろんその気持ちは今も変わりませんけど。
昭和30年代にはいいけれど、他の世代にはどうか?
それは僕も分かりません。誰かに聞いてみますね。
ところでそろそろ飲みに行きましょう。
by ken (2005-09-18 22:48)
はい、飲みに行きたいです。
やまげん
by yamagen (2005-09-19 21:41)
ご連絡します。
by ken (2005-09-20 00:00)