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ローマの休日 [2005年 レビュー]

ローマの休日」(1953年・アメリカ) 製作・監督:ウィリアム・ワイラー

 “この作品をひとことで言い表すとするなら、皆どんな言葉を使うだろう”
 映画を観終わって僕は、しばらくそんなことを考えていました。
 と、その前に…。
 僕は今回、この映画を観て猛烈にビックリすることが!
 それは、
 「僕はこの映画を一度も通して観ていなかった」
 という驚愕の事実が発覚したのです!
 
 ええええええーっ

 たまげましたよ、実際。
 オードリーがドレスの下で靴を脱いだシーンを観て、笑いつつも驚いてました。
 「こんなシーン観てない~っ!」
 きっといろんなところでいろんなシーンを観て、すっかり観た気になっていたんでしょう。
 人間の記憶っておそろしいデス…。

 さて、この作品をひとことで言い表すなら何か。僕はこの言葉しか思い付きません。

 『奇跡』

 もちろんオードリーの存在そのものが最大の奇跡だと思うのですが、「ローマの休日」が完成に至る道程は決して「必然」ではなく「奇跡」の連続だったように思います。
 
 例えば、ウィリアム・ワイラーが監督を引き受けたこと。
 そもそもこの作品はフランク・キャプラ(「或る夜の出来事」でアカデミー監督賞受賞)が撮る予定でした。しかしキャプラがスタジオに提示した予算があまりにも膨大で、パラマウント社はキャプラをあきらめ、ワイラーに依頼をします。
 ワイラーは当時まだ珍しかった海外ロケをスタジオに提案。【モノクロ撮影】で予算を抑えることを条件に、【全篇イタリアロケ】を実現するのです。

 例えば、相手役をグレゴリー・ペックが引き受けたこと。
 今では有名なエピソードとなった「真実の口」での撮影秘話。オードリーの緊張をなんとか解そうと考えたペックの「仕掛け」と、見事それに応えたオードリーの自然な反応は、ペック以外の俳優(当初の予定通り、ゲイリー・グラントだったとしても)が引き出せたのか否か。

 例えば、赤狩りでハリウッドを追放されたダルトン・トランボの創作意欲が衰えなかったこと。
 そして、トランボが書いた結末をワイラー監督が尊重したこと。
 僕はこのポイントこそが、「ローマの休日」を名作に仕立てた最大の要因だと思います。
 と言うのも、おとぎ話のようなハッピーエンドではない歯がゆさが、
 「二度と出逢うことのない2人の、幸せだったあの頃の姿をもう一度観てみたい」
 と観客に思わせるからです。
 もちろんそう思わせたのは、エンディングの素晴らしい「間」と「構図」に他なりません。
 
 興行的に言えば「リピーターを呼ぶ作品」、構造的に言えば「永遠にループできる物語」。
 だからこそ、今もなお愛される作品なんだと思います。
 
 僕が「ローマの休日」を
「奇跡」だと思ったのは、仮に同じスタッフとキャストが再び集ったとしても、これ以上の作品は絶対に生まれなかっただろうと思うからです。
 何よりオードリーはこれ以上ない輝きを放っています。それだけで充分に奇跡だと思うのです。

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 (初回生産限定版)

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コメント 23

twilightkuma

オードリーの作品で私が好きなのは「ローマの休日」の他は
「昼下がりの情事」とその後のビックリ映画手本となった「暗くなるまで待って」
ですが、ご覧のなったことありますか?
by twilightkuma (2005-06-13 21:53) 

keiko-nari

お---。何回みても、いいものはいいですね。
オ-ドリ-一度は、ロ-マに行ってあの階段やら手のとこやら
みたいと思うはず。手のとこは、急に恥ずかしくなって、
入れることが、出来ませんでした。くやしか~。
いい作品は、永遠ですね。かわいいんだもん。
by keiko-nari (2005-06-13 23:05) 

なが

「僕はこの映画を一度も観ていなかった」
反省。
by なが (2005-06-13 23:15) 

ken

>twilightkumaさん
 「ティファニーで朝食を」以外観たことないんですよ。
 これからすべて観ようと思います^^

>keikoさん
 ローマ行きたいです。ベニスに行っただけなんですよねえ。イタリアは。

>ながさん
 悪いこと言いません。「観ましょう」^^
by ken (2005-06-13 23:17) 

mimi

オードリー大好きで、この映画、何十回も観てます!
何回観ても飽きないし、何回観てもすてき!
ちなみにオードリーの映画で私のお勧めは「尼僧物語」
オードリーの透明さが美しいです。
by mimi (2005-06-13 23:37) 

ken

mimiさん、コメントありがとうございます。
もう、このブログを書いているのが恥ずかしくなってきました。
「尼僧物語」も観ていません(T-T)
観ます!スイマセン(笑)
by ken (2005-06-14 01:25) 

オードリーの作品は色々観ましたが、彼女が「妖精」と言われるのが一番納得できる映画かな?と思ってしまいます。彼女に憧れて、この映画の様々なシーンを真似て写真を撮っている女優さん、モデルさんが多いですけど…うーん、やっぱりオードリーであってもあのシーンが美しく演じられたのもあの時なんだろうと思うし…そう思うと映画って本当にいいなと思います☆
by (2005-06-14 03:10) 

ken

映画は奇跡の芸術だと思います。
その一瞬だけが切り取られて記録されるのですから。
by ken (2005-06-14 13:54) 

せきせいかんこ

初めて観たのは小学生のとき!!
今でもグレゴリー・ペックを観るためだけに、時々借りてきます…。不謹慎。
そうそう。グレゴリー・ペックと一緒にいた、カメラマンの役者さんがついこの前、亡くなったそうです。新聞の訃報記事で知ったのですが、名前を知ってるわけでもなかったのに、とても悲しかったです。
by せきせいかんこ (2005-06-15 11:20) 

ken

ははーっ、グレゴリー狙いで観る人もいらっしゃるんですね。やっぱり。
女性にはそういう人もいるか、そりゃ。
カメラマン役のエディ・アルバートの息子さんがメイキングの中で
インタビューに答えてますね。
これがちょっと似ていて、なんだか妙に嬉しくなります。
by ken (2005-06-15 16:39) 

snorita

あー遅ればせながら。ヘップバーン、そりゃあ、かわいい。
でもG.ペック。ああいう体型の人でなければ、背広は似合わない、の典型でしょー。
私も始めてみたのが小学生でしたが、心から惚れました。おやじ好きの原点はここから。
by snorita (2005-06-18 10:55) 

ken

人の話って聞いてみるもんですねえ。
小学生がペックに惚れるなんて思いもしませんでしたよ(笑)。
by ken (2005-06-19 10:38) 

o-ki-ni-i-ri

こんにちは。コメントありがとうございます。

『ローマの休日』にそんな撮影秘話があるとは知りませんでした。
そう言われてみると、『真実の口』のシーンでのオードリーは
とても自然で、あの驚きように私も、一緒にびっくりしてしまいました。
by o-ki-ni-i-ri (2005-08-21 23:47) 

ken

あのシーンは完全に「素」ですからね。
もしかしたら、あのシーンのオードリーが一番可愛いかも知れません。
by ken (2005-08-22 00:17) 

Sho

はじめまして。
私も自分のブログに「奇跡のような映画」と書きました。
ちなみに、このオードリーがあまりに素晴らしく、ものすごく期待して観た
「ティファニーで朝食を」は見なければよかった・・と思い、それ以降
彼女のものはみていません。
もしよろしければ、私の感想もお読みください。

二人の別れの場面は、とても好きです。
by Sho (2006-04-14 21:26) 

ken

この映画に最も相応しい言葉ですよね「奇跡」
「ティファニーで朝食を」は確かに僕も期待し過ぎてました。
でも「マイフェアレディ」は観ようと思ってDVDを購入しています。
いずれレビューをアップしますよ。
ところでShoさんの記事は見つけられませんでした!(汗)
nice!ありがとうございます。
by ken (2006-04-15 09:13) 

NO NAME

Shoです。
お返事ありがとうございます。
私の感想はこちらの url です。 失礼しました。
http://blog.so-net.ne.jp/Shos-days/archive/20060401-3--30
by NO NAME (2006-04-15 09:55) 

Sho

Shoです。
すみません、ログアウトのまんま記入してしまったようです・・
いろいろ、感想楽しかったです。
このまま沢山の感想、増やしていかれますこと期待しています。
by Sho (2006-04-15 10:04) 

ken

Shoさん、ありがとうございます。
「ローマの休日」読ませていただきました。
「ナニミル?」の更新頻度は昨年に比べたらまるで牛歩戦術並みのスピードに
なってしまいましたが、ほそぼそとやっていきます。また来てくださいね。
by ken (2006-04-15 16:05) 

のんたん

はじめまして。いろいろ記事をたどっていて、ここまで来ました。
遅ればせながら^^;私もこの映画が大好きです。そしてkenさんの記事を
読んで、そんなすばらしい数々の奇跡があったんだなあって感心しました。
すごい記事の数ですね!これからゆっくり読ませていただこうと思います。

あれからオードリーの映画、ごらんになられましたか^0^
私は「シャレード」と「おしゃれ泥棒」が好きです。がコレにはかないません。
私も最近書いてみました。よろしかったら見にいらっしゃってください・・・
また遊びに来ます。
by のんたん (2006-05-14 07:06) 

ken

のんたんさん、はじめまして。
1日1本の記事を読んでも500日かかります。
ゆっくり楽しんでください(笑)。
「シャレード」も「おしゃれ泥棒」も見ておりません。見てみまーす。
by ken (2006-05-14 19:30) 

かこ♪

はじめまして。
どこからか飛んできました。

私も何回観ても泣いてしまう映画です。
最後の記者会見のG・ペックが、なんとも切なくて。。
初めて観たのが小学生だったかなぁ。
何回も何回も観ても飽きないし、新たな発見があります。
お髭のカメラマンも大好きだったおじさんに似てて、
オードリー・ヘップバーンのかわいさもよくて。。
何回観ても最後は変わらないってわかってるのに、
なんでか、期待している自分が居たり。。
by かこ♪ (2006-05-14 21:42) 

ken

もしかしたら今回こそハッピーエンドなんじゃないかって思いながら
観ちゃう気持ち、よーく分かります。
ただ、そう思わせる映画ってなかなかありません。
やっぱりすごい作品ですね。nice!ありがとうございます。
by ken (2006-05-15 16:34) 

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