アリ [2004年 レビュー]
「アリ」(2001年・アメリカ) 監督:マイケル・マン 主演:ウィル・スミス
「後味のいい映画」ってありませんか?
「後味のいい映画」ってありませんか?
なんでもないときに、フッとその映画を思い出して心が温かくなるそんな1本。最近の僕にとって後味のいい映画は「チャンピオン」でした。
決してハッピーエンドとは言えないけれど、元気がないときや落ち込んだときに「チャンピオン」を観ると下がったテンションも上がる気がします。
で、「チャンピオン」のことを語るときに、やはり「アリ」を観ていないのはまずいだろうと思って、今日は「アリ」です(笑)。
21世紀のアメリカ人がどこまでモハメド・アリのことを理解しているか。まずはこれが気になったところ。ちょっと話題はそれますが、先日地下鉄の中で若者のこんな会話を聞きました。
A「そういえば、いかりや長介って死んだじゃん」
B「ああ、俺それパチンコしてるときに誰かから聞いた(笑)」
A「別にあんなオッサン大したことねーじゃんって思ってたらテレビとかすごくね?」
C「いかりやであんなに騒ぐことねーよ。なんもでかいニュースがねーからじゃねーの?」
D「でも昔はすごかったんじゃないの? 俺んちのばーちゃんが言ってたけど」
C「いかりやごとき、なんもすごくねーって。騒ぎすぎだよあんなジジイ」
言葉の訛りかたから言って群馬辺りの就職活動中の大学生だったんだけど、この会話を周りで聞いていた大人たちはどんな気分だったかと思う。実際僕は「殴ったろか、コラ」と思いましたからね(笑)。ただ「全員集合!」を知らない世代であることは間違いないわけ。
ある程度、名を成した人物でも時間が経てば「過去の人」になってしまい、その人物を知らない世代がやがて中心になってくる。
モハメド・アリはもちろんまだ健在で、60歳をようやく越えたばかり。アメリカ国内ではさまざまな社会活動に従事していて、それなりの認知度を未だに持っていると思う。けれど週末に映画を楽しむ10代、20代の若者がどこまでこの映画に興味を持っただろうか。
ましてや日本なんて、と思ったら、この映画の作り方は間違ってないか?と思うわけです。
「猪木v.sアリ」をオンタイムで観て、ボクシングに少なからず興味を持っている僕ですら、アリとマルコムXの関係は知らなかった。
「キンシャサの奇跡」と言われたフォアマンとの試合が、ドン・キングの手によって仕組まれたことも知らなかった。
少なくともこの2点に関してはかなりの説明不足で、それはこの映画が「アリに関する知識を一定レベル持っている人」に向けて作られた映画の証。
この手の実話モノ、しかも伝記映画に属する作品は「10年後、20年後に観た人でも理解できる作品にすべき」だと僕は思う。
前段を端折った作りは「作品についていけない」観客を生む。内容が判らないからという理由で観客は席を立つ場合があり、その権利がある。
作り手ならばエンドマークまで見せたいはず。僕は観た。けれど僕よりも20歳も若い世代だったらどうだろう?
リング状でウィル・スミスが踏む軽快なステップは見事なまでに似ていて楽しい。
ただしボクシングシーンがちょっと迫力に欠けて悲しい。
もう少しアリに似た役者をキャスティング出来なかったかなぁ、とは最後まで思いました。








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